PROJECT

プロジェクトストーリー

古紙を資源に。
未知の「アップサイクル」事業を切り拓く挑戦

明和製紙原料が新たに立ち上げた
「SDGs推進室」。
古紙リサイクルのノウハウを活かし、廃棄物を資源として新たな価値を生み出す
「アップサイクル」事業に挑んでいる。今回は、古紙を原料とした
バイオガス生成プロジェクトを通じ、
世代もバックグラウンドも異なる2人が、未知の事業にどう立ち向かい、何を学んだのか。
新規事業創出のリアルと、当社の挑戦するカルチャーについて語ってもらった。

  • MEMBER 01
    K.K

    K.K

    2023年入社
    SDGs推進室 所属

    大学の生命環境科学部にて、木材を化学変換して有用化合物を作る研究に従事。大学院への進学費用を支援する当社の奨学金制度を活用し、共同研究を継続できる環境に惹かれ入社を決意。現在は新規事業における文献調査、実験、共同研究先との技術的な連携などを行う。

  • MEMBER 02
    T.A

    T.A

    2007年頃入社
    技術部 部長

    入社以来長年にわたり、古紙の選別や粉砕に関わる機械設備の保守・メンテナンス、基礎工事や電気計装工事などに幅広く従事。現在はその知見を活かし、代表のサポート役としてSDGs推進室の事業推進に参画。各種設備調達や関係省庁との折衝など、事業化に向けた実務を強力に牽引している。

THEME 01

発見から始まった、
古紙のバイオガス化プロジェクト

K.K
K.K

プロジェクトのきっかけは、共同研究先で得られた技術的な知見でした。古紙を特定の条件で処理することで、想定以上のバイオガスが発生する可能性があることが分かり、当社としても大きな可能性を感じました。古紙を扱ってきた当社の知見と、共同研究先の技術を組み合わせることで、新しい資源循環の形につながるのではないかと考えたんです。

T.A
T.A

研究部門から相談を受けたとき、これは事業化できると直感しました。古紙という安定供給される素材から、再生可能エネルギーが取り出せるのであれば、社会課題の解決にも貢献できます。すぐにビジネスモデルの設計に入り、回収現場との連携体制づくりを進めました。

K.K
K.K

その後は、共同研究先と連携しながら、研究室レベルで得られた成果を実用化に近づけるための検証を重ねました。原料となる古紙の性状や処理条件によって結果が変わるため、技術的な知見を一つひとつ確認しながら、当社としてどのように活用できるかを検討していきました。

T.A
T.A

並行して、回収拠点の選定や供給スキームを構築しました。研究と現場の両輪が噛み合ったことで、プロジェクトは大きく前進しました。

バイオガス化プロジェクトの研究風景
K.K
K.K

「捨てられるもの」に新しい価値を吹き込めたとき、研究者として何より大きな喜びを感じます。次世代の物質循環を、自分たちの手で設計していきたいです。

THEME 02

前例なき挑戦。
立場の違いを超えた情報共有の壁

T.A
T.A

このプロジェクトは、事業として実現できるかを調べる「FS(実現可能性調査)」の段階から手探りでした。技術面や経済面だけでなく、法的な要求事項もクリアしなければなりません。私が特に苦労したのは、出口戦略となる経産省の制度を利用した売電交渉や、環境省、そして事業所在地の岡山市の自治体など、行政関係との折衝でした。古紙といえども「廃棄物」の括りになるため、プラントを建てるにも様々なハードルがあったんです。

現場と研究部門の協働
K.K
K.K

私が一番壁を感じたのは、情報の伝達や認識の共有の部分です。打ち合わせの中で「分かっていないこと」と「決まっていないこと」が多く、プラントを建てる段階まで研究も進んでいなかったため、全員が欲しい情報と今ある情報に大きな齟齬が生じていました。

T.A
T.A

我々も新しい取り組みで分からないことだらけですし、共同研究先にとっても新しい領域でしたからね。お互いが得意な分野を持ち寄り、例えば原料をどう作るかは当社が担い、できたものをどう処理するかは共同研究先に担当していただくという棲み分けで進めていました。

K.K
K.K

そうですね。ただ、自分自身も理解が不十分な部分がある中で、課題を言語化して相手に伝えることには本当に苦労しました。とはいえ、私が技術的な理論立てに悩んでいる間にも、Aさんや代表の駒津さんが、行政や外部企業との交渉を精力的に進めてくださっていました。

T.A
T.A

畑違いの業務に挑む中で、お互いに何が分からないのかが分からず困っていた時期もありましたね。それでも、バイオガスを先行して事業化している施設へ見学に行ったり、機械メーカー様に参加いただいたりしながら、一つひとつ事実を積み上げて前に進んでいきました。

THEME 03

失敗で終わらない。挑戦が生んだ「次のビジネスの種」

K.K
K.K

結論から言うと、このプロジェクト自体は想定していた形でのガス発電の達成には至らず、一旦中止となりました。当初から不確定要素が多く、物質収支や技術課題の面から見ても難易度が高いプロジェクトでした。

T.A
T.A

ええ。しかし、完全に終わったわけではありません。現在は、紙や他の物質を微生物で糖化し、他の有用物質を生成するという新たなアプローチに取り組んでいます。

現場での打ち合わせ風景
K.K
K.K

そうなんです。ガス発電は実現しませんでしたが、材料を集める際の許認可などの問題はクリアできましたし、次の仕事に繋がる新たなプロジェクトの種を得ることができました。すぐに結論が出ないテーマでも簡単にあきらめず、まず行動しながら道を探ることの大切さを学べたのは非常に大きかったです。

T.A
T.A

我々の会社の根本的なテーマは、「いらないものから新しいものを作り、資源の道を作る」ことです。廃棄物から「こんな価値あるものができましたよ」と社会に提示できれば、それは非常に誇らしいことですよね。

K.K
K.K

この経験を通じて、専門分野の異なるメンバーで仕事を進める際は、情報を整理し、共通認識として共有する力が不可欠だと実感しました。また、SDGs推進室が外部と協力して進めるプロジェクトの「動き方」がなんとなく掴めたので、このノウハウは必ず次の仕事に活かせる確信があります。

THEME 04

自発的に動く好奇心が、アップサイクル事業の未来を創る

T.A
T.A

これからの私の目標は、プロジェクトを支える「原料供給」の基盤を作ることです。古紙だけでなく、様々な有用物質を回収し、SDGs推進室のプロジェクトに原料として安定供給できるような事業を立ち上げ、連結させていきたいと考えています。

実験風景
K.K
K.K

私の直近の目標は、現在動いている別のプロジェクトを事業として軌道に乗せ、SDGs推進室としての実績を一つ作りきることです。そして将来的には、社外の方と協力するだけでなく、社外の方々との連携で得た知見を活かしながら、当社が主体となって企画から事業化まで推進できるプロジェクトを作り上げたいですね。また、個人としても博士号の取得を目指し、専門性を高めることで、より信頼される技術者・研究者になっていきたいです。

T.A
T.A

今後当社に入社される方に伝えたいのは、自分で考えながら、周囲と協力して物事を前に進める姿勢の大切さです。私たちが取り組んでいるのは、答えのない事業です。だからこそ、一人で抱え込むのではなく、分からないことを相談し、現場や社外の方々とも連携しながら形にしていく力が求められます。

K.K
K.K

まさにその通りで、私も入社当初は、正解がない中でどう進めればよいのか戸惑うこともありました。ですが、代表やAさんが社内外の方々と丁寧に対話しながら、一つひとつ課題を整理していく姿を近くで見て、仕事は一人で完結するものではなく、周囲と協力しながら進めていくものだと学びました。当社には、気づいたことや疑問に思ったことを相談しやすく、挑戦を後押ししてもらえる環境があります。好奇心を持って学びながら、少しずつ自分の考えを行動に移していける方と一緒に、この会社の新しいサイクルを回していきたいですね。

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